『同人音楽とその周辺』感想に引き寄せて [同人音楽]

「M3-2012春」カタログの裏表紙に掲載されていた『同人音楽とその周辺』(井手口彰典/青弓社2012)を早速読んでみた。
感想とか、これを受けて改まった自分の同人音楽に対する認識などはまだとてもまとまらないが、
興味深い箇所について紹介がてらだらだらと書いてみる。

まず、M3関係者のインタビュー。まず買う前に目次を眺めたりしたのだが、これには買ってから載っていることに気付いた。今まで目にしてきた同人批評の文脈で、「なぜM3が生まれたのか」という発想には至らなかったなあ。。。
このインタビューの内容も古参の人には既知の事実だったりするのだろうか?
コミケの米沢氏、岩田氏のことは色々なところで話題になるのにな(コミケの認知度が群を抜いているということでもある)

M3準備会事務局の相川氏
M3の姿勢について。CDを手渡し接触を持つ場。参加したい人の為の場を用意する。サークルに対して評価はしない。インディーズと同人の意識の違い、送り手と受け手の対等な関係。

M3元代表の寺西氏
M3以前の音系、MADテープ、自作インターフェイス/ソフトウェア、音響劇・ボイスドラマなど。ジャンルと呼べるほどの数はなかったが、M3を立ち上げることでジャンルとして花開くという手応えはあった。著作権的グレーゾーンに対しての防衛、フランスのパロディー法を引き合いに。

あまりに理路整然と話が進むので、失礼ながらインタビュアーが相当文章をまとめたのかと思ってしまったが、
寺西氏のメールの原文が掲載されていたのを見るに、論理的な人物であるようだ。
やはり、ムーブメントを立ち上げる人にはそれだけのパワーと知性が備わっているのだろう(小学生並の感想)


その他の断片

 東方や葉鍵のオンリーイベに参加する音系サークルは必然的にその(BGMの)アレンジとなる、と書かれているが、イメージソングのような物なら作中BGMのアレンジでない音楽もあり得るのではないかと思った。

 「ロックは死んだ」「○○こそ正当な後継者である」という主張が同人音楽にも用いられたら、それを考えるとぞっとしない。同人音楽は様式としての音楽(ジャンル)を指し示すものでないなら、先の主張は的外れなものであるが・・・。しかし、好んで同人音楽を聴く層から「J-POPはクソ」「メジャーは拝金主義」などの声があるように同人音楽内部でも同じような主張が繰り返されるようになるかもしれない(純愛主義・原理主義)。これは」メインカルチャーに対するサブ(カウンター)カルチャーがまたメインカルチャーになるという歴史の繰り返しでもある。
 ・・・アニソン・ゲーム音楽は時にメジャーレーベルではあるが何故か非難の対象にはなりにくい。

 ニコニコ動画のアンケート「ネット音楽について」設問のジャンル。留意すべきなのは「同人音楽」ではなく「ボーカロイド曲などの同人音楽」としていることだ。

・同人音楽の批評
 ジャンルの横断を容易にする場としての同人音楽/即売会。だが批評は悶絶メタルのページhttp://mmpk.web.fc2.com/のようにメジャー/サブカル/同人を一括し、限定した様式の中で取り上げる方が容易かなと。同人音楽という同時代的ヨコの視点に対してジャンルの推移というタテの視点、みたいな。

それと同人音楽におけるセルアウトってあるのだろうか。
「シオドア・スタージョンの法則」のように誰もが認めるクオリティの大手1割に対して、それ以外の9割。だがその9割が同人らしい同人であるはずなのだ。「同人でこのクオリティ」と言いたいだけなら、大人しくメロンブックスやとらのあなで委託された物だけ買っておればよい。

というか、自分は今までそうしていたという訳。
いつもながら支離滅裂だが、M3に初めて行けるということで興奮気味なのである。
(まぁ、自分が作ってる物ほど酷いのはないに違いないという自虐)



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